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キツネ目がビデオ店を出ると、尾行を開始した。家がどこなのかを突き止めてやる。キツネ目が車できていたらアウトだが、幸い歩いてきたようだった。
小太りのキツネ目はのそのそと歩くので、オレは距離を保つのに苦労した。 十分ほど歩いたところでキツネ目は足を止めた。ブロック塀に挟まれた門をくぐると、建物の外に備えつけられた階段を登っていく。 今にも崩れ落ちどうなボロアパートだ。階段を上がるたびにギシギシという耳障りな金属音が鳴った。 キツネ目は二階の奥から二番目の部屋に入っていった。部屋の明りがつくのを確認すると、オレはアパートに近づいた。 門の横のブロック塀には「松風荘」と記された表札があった。きっと部屋は風呂なしトイレ共同の四畳半ってとこだ。この辺りはどの駅からも徒歩で二、三十分はかかるから、家賃は三万から四万が相場だろう。 キツネ目は見た目を裏切らず貧乏人のようだった。しかし、その割には車を乗り回してやがるのだ。家賃は抑えて、そのぶん車に金を注ぎ込んでいるのかもしれない。幼女を連れ去るには、車は欠かせないってことか・・・くそったれ! 部屋の電気が消えた。キツネ目が入っていってからまだ五分もたっていない。もう寝るのか? ずいぶん早いなと不審に思っていると、部屋のドアが開いた。オレは慌ててアパートを離れ、交差点の角に隠れた。 キツネ目が出てきてドアに鍵をかけ、階段を降りてくる。 またこれから外出するようだ。どこに行くつもりだ? くそったれ!
by zyoh
| 2005-07-08 20:38
| 笑顔をなくした天使
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